以前、弊社の研修生に、台湾から来られた女性がいました。彼女は研修最終日に、こう言ってくれました「日本のサービスは本当にすばらしいです」と。
「愛社精神」と言うと大げさもしれませんが、自分の会社に愛着をもって仕事をしていること。その気持ちがお客様への接し方にも自然にあらわれているというのです。
「サービス」の研修には、必ずといってよいほど、海外資本の一流ホテルや遊園地、コーヒーチェーン店の事例があがります。いずれにも素晴らしい知恵があり、学ぶ点が多いです。しかし、台湾からの研修生の言葉を聞いて、気づきました。日本のサービスの良さ、持ち味があるのではないか。日本のよさ、日本にしかない素晴らしいサービスがあるではないか。
例えば、旅先の宿で、さりげなく生けられている季節の花、使う人に配慮したしつらえ、声のかけ方ひとつからも、そっと寄り添うようなやさしさがにじみ出ている。それらから受ける温かさを、どう表現してよいか悩みますが、まさに「極上のおもてなし」と呼びたいものばかりで、改めて「サービス」の奥深さを認識させられました。いえ、「サービス」と「おもてなし」は別物と言っていいでしょう。
わたしはこの「おもてなし」こそ、もっと現場の方に教えるべきで、多くの方に届けたいと思うようになりました。
その届け先とは、ずばり、海外。ハワイです。世界最大の保養地といえど、先に述べたような日本の極上のサービス「おもてなし」、ホスピタリティを提供出来るホテル、お店は、じつはないのです。
マニュアルを越えた、こころの温度がゆっくりとあたためられるような日本生まれのホスピタリティ、「おもてなし」は、まだまだ知られていません。
仕事と保養をかねて次月、ハワイに参る予定です。しっかり視察して、またみなさまにも有益なご報告をさせていただければと思っています。
2012年10月 黄瀬紀美子