5月の人間塾。講師は「臨床哲学」の第1人者である中岡成文先生。まだあまり馴染みのない「臨床哲学」の世界へナビゲートしてくださいました。
臨床哲学とは、「『机上』ではなく『現場』から」と言えばよいでしょうか、つねに現実社会で起こっていることから考え、関係性を整理したり、治療法を導き出すための学問です。
講義のなかでもっとも印象深かったのは「複雑に考え、シンプルにまとめてください」と言われたこと。
世の中に起こっていることは、どれをとっても本当に複雑ですから、必死で考えなければならなりません。いろいろな角度から、立場から、時間軸から、文脈から、ああでもない、こうでもないと、考えられる限りを尽くして考える。そして・・・「シンプルな言葉にする」。ありとあらゆる言葉を引っ張り出して考えた末に、シンプルな言葉でまとめるなんて出来るの?
「ええ、出来ます。ちょっとした思考の訓練ですね」と、にっこりしておっしゃる中岡先生。ええ?どうやって? さあ、全員で哲学問答です。
一足飛びには難しいかもしれませんが、日頃から「考え尽くす」という習慣をつけておくことが大事なのだと思います。何事も簡単に済ませない、当たり前にしない。小さなことでも疑問に思う・・・というようなことが、臨床哲学、つまり、現実社会の問題解決の第一歩につながるのではないでしょうか。
まさに「人間塾」のテーマにふわさしいご講義でした。
さて、たっぷり勉強したあとは、リラックスタイム。お酒と美味しい食事を囲んで話がはずみ、充実のひとときを過ごしました。
ますます好評の人間塾、7月度もどうぞお楽しみに。詳細決まり次第ご案内いたしますので、弊社ホームページをチェックしてくださいね。
2012年6月黄瀬紀美子